Products 03
少量多品種への対応と環境対応の両立を目指して
グラビア印刷は、長年食品をはじめ、様々なプラスチック包装印刷の主流を担ってきました。近年人口減少や流通、消費者嗜好の多様化により、少量多品種生産が増加しています。
少量多品種は、生産仕様の切り替え回数が多く、大量生産を得意とするグラビア印刷では負担が大きくなりつつあります。市場の変化に「包装」も変化を求められるなか、デジタル印刷という新たな印刷分野への挑戦を始めています。
最新の印刷技術で、無版印刷の特長を持ち、バリアブル印刷にも対応できるデジタル印刷と、隠蔽性が高く、VOC使用量の少ない水性グラビア白印刷を組み合わせ、デジタル・グラビア印刷技術を開発しました。この軟包装用デジタル・グラビア印刷技術を「FUJI・M・O®」と命名しました。
各印刷技術の比較
デジタル 印刷 |
油性 グラビア印刷 |
水性 グラビア印刷 |
デジタル・グラビア印刷 「FUJI・M・O®」 |
|
版の使用 | 無し | 色数分必要 | 色数分必要 | シロ1版のみ |
シロ濃度 | 薄い | 濃い | 濃い | 濃い |
VOC使用量 | 無し | 多量 | 少量 | 極少量 |
各印刷技術の比較
デジタル 印刷 |
油性 グラビア印刷 |
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版の使用 | 無し | 色数分必要 |
シロ濃度 | 薄い | 濃い |
VOC使用量 | 無し | 多量 |
水性 グラビア印刷 |
デジタル・グラビア印刷 「FUJI・M・O®」 |
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版の使用 | 色数分必要 | シロ1版のみ |
シロ濃度 | 濃い | 濃い |
VOC使用量 | 少量 | 極少量 |
FUJI・M・O®の仕組み
「FUJI・M・O®」に搭載されたデジタル印刷部は、VOCを全く使用しないUV硬化方式です。またグラビア印刷部は、当社が長年VOC削減を目標に開発してきた水性グラビア方式を採用しました。
これにより、従来の油性グラビア印刷の95%以上、水性グラビア印刷の60%以上のVOCを削減でき、労働環境の改善、地球環境への負荷軽減が期待されています。
各印刷方式別VOC使用量
多様性の増加は、少量生産(小ロット)化を加速させ、生産現場は仕様切り替え頻度が高くなり、効率的な生産が難しくなりつつあります。
「FUJI・M・O®」は、版替え時間がシロ1版のみとなり、作業の準備時間が短縮され、一日の印刷機稼働時間が長くなります。小ロットを「FUJI・M・O®」で印刷することで、グラビア印刷機を大ロット作業に集中させることができます。
「FUJI・M・O®」は、スミとカラー3色(シアン、マゼンタ、イエロー)の4色をデジタルで印刷します。デジタル印刷は、デジタルデータを直接印刷機に送り印刷するため、グラビア版のような版胴周の制限がありません。バリエーション豊かなキャンペーンを⾏うこともできます。
熱性を持つデジタルインクを使用するため、ボイルやレトルト加熱が可能です。
加熱条件や内容物などの条件に合う包材材質、形態をご提案させていただきます。
「FUJI・M・O®」の画像再現性は、水性グラビア印刷並みです。またカラーの再現性を水性グラビア印刷に合わせるよう、カラーマネジメントシステムを構築いたしました。よって新商品マーケティングや限定商品には『FUJI・M・O®』、量産期間には『水性グラビア』、と使い分けていただくこともできます。
販売期間別印刷方式の使い分け